佐野康夫さんのドラムプレイに対する捉え方
最近思うのですが、佐野康夫さんは以前のイベントで、楽器の音の長さも意識していると仰ってました。もちろん、ハイハット以外は長さを調節する機能は楽器にはありませんが、そういう意識を持って叩いているということです。
またフィルインの時にその瞬間の尺を意識している(フレーズの長さが伸び縮みしている感じ)とも仰っておりました。
また最近のイベントでもスネアやシンバルの音色も激し目とか静か目とかを意識しているとのでした。
これらのことから、佐野さんの中ではドラムの音やその長さのイメージがあるのだという事です。
これはもしかしたらドラムでも、あたかもボーカルがメロディーを歌うような意識に似ている部分や繋がるの部分があるのではないかと思います。
これは昔、古澤良治郎さんが、「皆、ドラムのことを楽器だと捉えていない」といった趣旨の発言がありましたが、
逆に佐野さんは楽器としてドラムを捉えていて、こういうふうにドラムを楽器として、音楽的に演奏したいというのがあるのではないかと思います。
それは例えば、気持ちを込めて演奏するとか、表現したい音をイメージして演奏するという事と思います。
そう思うと、私の好きなもう1人のドラマー、ビルブルーフォードも、ドラムのフレーズを研究している時にドラムはワードやフレーズを繋げていってセンテンスにするということを言っていましたが、そういうところにも繋がるのではないかと思います。
こういった意識が果たして、機械で測定して評価できるのかは分かりません。
少なくとも音色については、佐野康夫さんのスティックは俵形なのであたる角度によって、触れる面積が変わり、音色が変わるということはありそうです。
一方でリズムの正確性については評価できるのかは、未解決です。
ジャズにおいてはレガートのリズムが四分音符ではイーブンに近くなったりするので、そういう意味では伸び縮みも測定出来そうな気はします。
またメロディーのようにドラムを捉えるというのは、人が耳で聞くことでしか出来無さそうです。
上記のように考えるようになったきっかけとしては、電子ドラムでは再現が出来無さそうだからです。
自分は練習では電子ドラムを使っておりますので、音の長さや音色についてはあまり強く意識することがありませんでした。
電子ドラムでは常に一定だからです。
ここはまだ再現できていないので、電子ドラムの限界なのかもしれません。
2024年11月19日 佐野さんのイベントの感想
ジルジャンフェスティバルの佐野康夫さんのスペシャルトークのレポートです。
今回はジルジャンの400周年のイベントとの事。
展示品やステージのドラムセットの雰囲気は下記の感じです。
https://niimigakki.co.jp/blog/2215.html
当日は13時からですが、最初のイベントが佐野康夫さんのトークイベントで13:30からした。こちらの記事はその参加してきた報告となります。
佐野康夫さんのこのようなイベントはコロナの影響もあり久しぶりでしたね。
今回は司会者の方がいて、質問を順番に投げかけていく形式でしたので進行はとてもスムーズでした。
色々と話をされていたのですが、演奏面で記憶に残ったところを中心につらつらとメモしていきます。
青字は佐野さんのコメントしてたと思う内容です。
ジルジャンシンバルへの初期の印象は、(佐野さんが幼少時代の話ですので子供にとって)高くて憧れのシンバルだったとのこと。
今回他の若手のドラマーのトークもありましたが、若い方はやはり小さい時から周りにジルジャンシンバルがあると仰っており(羨ましい!)そこが今と昔の違いだなと思いました。
また、スティーブガッドやトニーウィリアムスがジルジャンを使ってたので影響を受けたそうで、
会場にはスティーブガッドのドラムセットも展示してありました!
佐野さん曰くジルジャンのシンバルの印象は、きらびやかで味がある、とのこと。
味があるという表現は何度も使ってました。
プロになった後はハイハットは13インチから、10年毎位に段々大きくなり最近は16インチを良く使ってますよね!
13インチはあの「風の歌のを聴け」のローバーでも使ったそうです。
また録音やライブにおいても、ある程度固定のシンバルは2パターンある様ですが、常に求められる音楽やディレクションに応じて柔軟にシンバルを変えている様です。
また、ライブ中はシンバルを変えられないので、叩き方によって表情を変えているとのこと。
その柔軟性が素晴らしいなと思いました。
また昔のイベントでスネアでも同様のことを仰っていましたので、やはり生ドラムならではというか、まだ電子ドラムではここまでは追いついていないですが、叩き方で微妙なニュアンスを表現しているようです。
また最初に購入したドラムはシンバルも含めて大口径で、扱いが難しいけれども、後になって良かったと思ったそうです。(恐らく、色々な表現をする幅に繋がったのでしょう。)
確かに佐野さんのプレイのハイハットのガツッとしたサウンドがグッと前に来ることはあるので、そういう背景もあるんですね!
それと、佐野さんはエンドーサーになった際には本当に嬉しかったとの事。
またスタジオワークに関しては、予想外のことが起きることの方が多いということで、常に色々なアプローチをしながら対応されているそうです。ディレクションのイメージに対してジャンルや音はどうすれば良いのかなどを考えたり聞いたり最後は勘も含めてやっているそうです。
当日は佐野康夫さんのシンバルセットを時代ごとに見たり、自前のハイハットやライドを見ることが出来ました。
ライドに至っては、もう買って40年なんで買ったのは新品ですが、司会者の方からは「もうビンテージ扱いですね」と言われてました。
以上です!
非常に楽しいイベントになりました。佐野さんはもちろん、企画してくださった方、本ジルジャンのイベントの関係者の方々に御礼申し上げます!
以上備忘録的な内容ではありますが、
見てくださってありがとうございました!
aikoさんの「蒼い日」の感想
自分はこの曲が好きすぎて、ドラマー目線での感想を書いてみます。
まずバラードなのでゆっくりな曲調です。
まずボーカルのaikoさんの特徴として、歌詞が良い。そしてメロディーがいい。名曲だなと。
歌詞については深い考察はしませんが、なんだかすごく切ない気持ちになる歌詞です。
ただ、以前に佐野康夫さんが言っていたのですが、静かな曲であってもドラムが曲に入るという事はどこかに熱い部分があるからだと思うと仰っていました。私はこの曲はまさしく歌詞の中にも熱い気持ちが含まれていて(それが明るい気持ちとは限りません)、そして、それを表現する為にドラムが入っているのではないかなと思います。
その上でのバラードとしてのドラムが素晴らしい。
ドラムも優しい音色ではあるがりますが、決して弱くはない打感。キレもあります。
・ドラムフレーズの特徴
【シンバルフィルイン】曲の所々に、シンバルを左右でシャシャシャーンとする技も沢山出てきます。またその時にハイハットも絡めていますが、佐野さんが使っているのは16インチの低めのピッチのハイハットなので、シンバルと同じ様な使われ方をしています。
因みに普通は、たとえば多くの音楽スタジオで置いてあるのは14インチのハイハットが主流(というかほとんど)です。16は通常はクラッシュシンバルのサイズに分類されてくるような大きさです。しかし、それくらい大きいハイハットをうまくフレージングに活かしていくのが流石だなと思います。
【左手クラッシュ】
途中に出てくるのですが、一時期佐野さんが良く多用していた16部の裏で左手でクラッシュ+バスドラ、すぐに16部の表でスネアという組み合わせが見られるます。
他のドラマーではあまり見られないフレーズかと思いますが、オルタネートなので意外とフレージングは自然なのですが、やはり16裏にバスドラがクラッシュと入るし、しかもそれが左手というのは、慣れないと叩くの難しいと思います。
本日は以上です!
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
ドラムの譜面をどうやって書くか?細かく分析してみる
私は良く、ドラムのコピー譜を書き起こします。
(先週書いた書き起こし途中の譜面)
この時、一度では聞き取れない様な複雑なフィルインをどうやって書いているのか、について、今日はブログにしてみようと思います。
1何度も聞く
当たり前ですが、同じ部分を何度も聞きます。これは前提なので何度も聞く中でどう工夫するかが大事ですが、実は、簡単に同じ箇所を何度も再生できる様にする工夫も大事だったりします。昔は3秒戻るボタンが着いた音楽プレーヤーとかあったのですが、今では割と音楽再生アプリなどが便利だと思います。
2ゆっくりにして聞く
再生アプリや機器が対応していれば、これが1番ドラムを聞き取りやすくなります。また早いパッセージのフィルだけでなく、小さい音(ゴーストノートに近い様な音)も聞き取れたりします。
※ただ、小さい音は佐野康夫さんのドラムプレイの譜面起こしで良くあるのですが、逆に聞こえない音が聞こえたりすることもあります。これはもうどうしようもない現象なので、日を変えたりして書き直すしかないと思います。
3手順を考えて聞く
聞きながらエアードラムで空を叩きながら、自然な手順でたたける様に考えながら譜面を書きます。
この方法は実践的な方法でもあるなと思っていて、実際に自分が叩く時にも、手順を意識しておくと早く習得できると思います。
8部でも16部でも主に表は右手、裏は左手の法則ですが、各ドラマーによって若干のクセがあります。佐野さんの場合は両手でフラムっぽく叩く時には裏拍でも連続で行ったりしますし、たまに裏拍を右手で叩いたりしますが、ここら辺は好きなドラマーの叩く姿を映像で見ているうちに、傾向とかクセとかが分かってくると思います。
4想像で聞く
曲はドラム以外も音が鳴っていますので、全ての音が聞こえない時があります。そういう時は、多分こうだろうなと想像して一旦書いてみます。
但し、やはり検証は必要で3番の手順を考えながらや、違和感がないかを後でドラムを叩いて確認が必要だと思います。
どうしても何度聞いても音の解像度の限界で、分からんとなったらこの手を使うのが良いと思います。
5YouTubeで調べる
有名な曲のみと思いますが、他の人のコピー動画を探して、その人がどうやっているのかを見てみましょう。
興味深い点として、その人がどの様に、音源を捉えているのかという目線でも勉強になります。
また完全に再現できていなくても、それっぽく聞こえる様に叩く、という工夫も気づけたりしますので勉強になります。
とりあえず思いつく5つの工夫を書き出してみました。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
☆ドラムの譜面起こしが難しかったのはこちら!
aikoさんのシアワセ
aikoさんのbeatについて
ご無沙汰しています。
aikoさんのbeatについての記事です!
最近は久しぶりにピアノの方とバンド的な感じでアレンジを一緒にあれこれ楽しんでいます。
以前イントロとアウトロのbeatの動画を一度撮ったので、今回はドラムソロを撮りたいなと思ってお願いして作って頂きました!
これはもうめちゃ難しいドラムソロです。特に雰囲気が出ないんですよね。。。原曲は佐野康夫さんと思われます。なんかかっこいいんですよね。なんでなんですかね。
この謎をずっと、追いかけている感じですが、少しでも、知って欲しいなと思いましたのでドラムソロをフューチャーしました。
結構原曲が速いのですが、
1回目はスネア、ハイタム、フロアタムと行きますが、フロアタムとスネアをほぼ同時(フラム的に)叩いて、そのままルーディメンツに入っています。(r)LrrllR Lという感じです。カッコはフラムです。ただ、実際にはアクセントが付いているので、フラムとも少し違う気がします。
2回目はKRLRの手順でハイタム、スネア、フロアタムに行っています。
この手順については良く佐野康夫さんも叩いていて、以前動画で解説しています。
頭拍が足のキックなので、右手が頭にこないところが、聞いていて面白いです。でも一つのフレーズとして聞くと普通に自然に聞こえます。
最後まで読んで頂きありがとうございました!